紅茶の蒸らし時間は何分がベスト? 美味しい紅茶をいれるためのポイントを紹介

紅茶の蒸らし時間は何分がベスト? 美味しい紅茶をいれるためのポイントを紹介

自宅でも美味しい紅茶を飲みたいと思って茶葉を購入したものの、上手にいれられなくて、せっかくの茶葉が眠っているということはありませんか?

紅茶を美味しくいれるのは、決して難しくありません。

いくつかのポイントを押さえさえすれば、手間をかけずに美味しい紅茶をいれることができるのです。

ここでは、紅茶をいれる時に特に大切な、茶葉の種類と蒸らし時間の関係や、蒸らす時のポイントなど、美味しい紅茶をいれるためのヒントをお伝えします。

目次

  1. 紅茶を蒸らす効果とは?時間によって効果が変わる?
  2. 紅茶の蒸らし時間の目安とは?
  3. 上手に紅茶を蒸らすためのポイントは?
  4. 紅茶をいれるときに気を付けることとは?蒸らし時間が長すぎるとどうなる?
  5. まとめ

紅茶を蒸らす効果とは?時間によって効果が変わる?

紅茶といえば、茶葉にお湯を注ぎ、お湯に色が出たら飲む、という方もおられるでしょう。
しかし残念ながら、これだけでは美味しい紅茶にはなりません。

紅茶をいれる時、茶葉にお湯を注いだ後ふたをし、数分蒸らして茶葉の成分がきちんと抽出されてはじめて美味しい紅茶となります。

特に、上手に蒸らせるかどうかが紅茶の美味しさを左右する鍵となります。

まずは、茶葉を上手に蒸らすとどういう現象が見られ、どのような効果が得られるのかを見ていきます。

茶葉の対流(ジャンピングともいう)を起こす

「ジャンピング」という言葉を聞いたことがありますか?

茶葉にお湯を注いだ後、ポットの中で熱対流が起こり、茶葉が浮き上がったり沈んだりという動きを繰り返します。
これが「ジャンピング」と呼ばれる現象です。

ジャンピングは、お湯を注いだ直後に激しく起こり、お湯の中の酸素が減るにつれて落ち着いてきます。
蒸らしている間に、茶葉がよくジャンピングしていれば、上手に蒸らせているという目印にもなります。

蒸らすことで紅茶の旨味や香りを引き出す

このように、茶葉を蒸らしてジャンピングを起こすと、どのような効果があるのでしょうか。

ジャンピングが起こると、よれた茶葉が徐々に開き、茶葉に含まれる成分が引き出されます。
茶葉には、苦み成分であるカフェインや、渋み成分であるタンニンが多く含まれており、これらの成分が紅茶独特の香りや風味を生み出しています。

茶葉を蒸らしている間、これらの成分がお湯に溶け出し、紅茶の旨みや香りを引き出しているのです。

紅茶の蒸らし時間の目安とは?

紅茶の蒸らし時間は、茶葉の成分がほどよい程度に溶け出すために、必要とする時間です。
蒸らし時間が短いと、溶け出す成分の量が少なく、風味の薄い紅茶となります。

逆に蒸らし時間が長いと成分が多く溶け出し、苦みや渋みの強い、濃い紅茶となります。

初めていれる茶葉は特に、適当な蒸らし時間がわかりづらいですが、そのような時は長めに蒸らすことをおすすめします。というのも、風味の薄い紅茶は後で味の調整ができませんが、濃い紅茶は味を調整することができるためです。

紅茶の蒸らし時間の目安は茶葉の大きさによって異なる

紅茶の蒸らし時間の目安は、パッケージに記載されていることも多いですが、自分で判断することも可能です。
その判断の基準が、茶葉の大きさです。

一般的に、細かい茶葉は蒸らし時間を短めに、大きい茶葉は長めに、とされています。

一度この基準を押さえれば、その後は自分の好みや、ミルクティーなどの飲み方に合わせて蒸らし時間を調整し、それぞれに合った紅茶の風味を楽しむことができるようになります。

細かい茶葉の場合の蒸らし時間の目安は2.5~3分

細かい茶葉は、
「ブロークンリーフ」とも呼ばれ、BOPやBOPFと表記されていることもあります。

茶葉をカットすることで断面が増え、短時間でもしっかりと茶葉の成分が抽出され、力強い風味の紅茶になります。

そのため、細かい茶葉の蒸らし時間は、2.5~3分が適しています。

大きめの茶葉の場合の蒸らし時間の目安は3~5分

加工の際にカットされていない茶葉は、針のように細くよれているのが特徴で「フルリーフ」または「ホールリーフ」とも呼ばれます。

インドや中国産の紅茶によく見られるタイプです。

成分が抽出するスピードが緩やかで、華やかな香りや繊細な味わいの紅茶になります。
そのため、3~5分と長めに蒸らしても、苦みや渋みが強く出る心配はありません。

蒸らした後、きれいな葉の形をした茶殻を見ることができます。

上手に紅茶を蒸らすためのポイントは?

上手に茶葉を蒸らし、適度に茶葉の成分を抽出させて美味しい紅茶をいれるためには、茶葉をしっかりとジャンピングさせることと、それぞれの茶葉に適した蒸らし時間を守ることが大切です。

ジャンピングに関しては、蒸らす際、茶葉やお湯の状態、またポットの形に気を付けることで、よりジャンピングが起こりやすくなります。

これは茶葉の大きさに関わらず、どの茶葉にも共通して言えることなので、参考にしてください。

新鮮な茶葉を使う

紅茶を上手にいれるテクニックも大切ですが、茶葉の新鮮さも大切です。
紅茶の茶葉は、新鮮なものほど香り高く、繊細な風味を引き出すことができます。

新鮮な茶葉を使うには、保管状態の良い店舗で茶葉を購入し、開封後は新鮮さを維持できるように保存する必要があります。

茶葉を劣化させる原因となるものに、高温・湿気・光・酸素があげられます。

開封した茶葉は、光を通さない容器に入れて密閉し、温度と湿度の低いところで保存してください。

沸き立てのお湯を使う

ジャンピングは、お湯に含まれる酸素が茶葉に絡むことで起こります。
そのため、酸素を多く含むくみたての水を沸騰させ、沸騰したてのお湯を注ぐようにします。

五円玉ぐらいの泡がポコポコしているお湯が理想です。

再沸騰させたお湯や電気ポットで保温しているお湯は、酸素の量が少なく、ジャンピングには適しません。また、沸騰前のぬるいお湯だと、茶葉の成分が十分抽出されません。

注いだお湯の温度がポットの中で下がらないように、事前にポットを温めておくのもおすすめです。

ポットを使う場合、丸みのあるものを使用する

また、ポットの形やサイズ、素材もジャンピングに影響します。
丸みの帯びたポットは熱対流を起こしやすいため、ジャンピングを起こすのに適しています。 

また、人数分のお湯を注いだ時に、お湯がポットの上部までくると、茶葉がジャンピングするスペースが広くなります。
そのため、いれる紅茶の量に合ったサイズのポットを使うことが望ましいです。

さらに、陶器製のポットは熱が逃げにくくお湯の温度を保てるので、紅茶をいれるのに向いています。

温かい紅茶を楽しみたい方にはティーコージーがおすすめ

ティールームで、ポットにカバーを被せてあるのを見たことがある方も多いでしょう。
「ティーコージー」と呼ばれ、ポットの紅茶の保温に使われています。
出来た紅茶を保温するだけでなく、紅茶を蒸らしている時にも使えます。

紅茶を蒸らしている間にもお湯の温度は下がりますが、ティーコージーを被せると、温度の下がり方が抑えられ、より温かい紅茶を楽しむことができます。

同じように、ポットにティーマットを敷いて蒸らしても、お湯の温度の下がり方が抑えられます。寒い時期などにおすすめです。

ストップウォッチや携帯のアラーム機能を使って時間をはかる

茶葉を蒸らしている3分間は、短いようで待つと長く感じられます。

また、他のことに意識が向くと、茶葉を蒸らしていることを忘れてしまう場合もあります。

そのような時でもきちんと時間を守れるように、ストップウォッチや携帯のアラーム機能で時間をはかることをおすすめします。

音や光で時間を知らせてくれるものだと、安心して他に意識を向けることもできます。お客様を迎える時は、砂時計を使ってお洒落な雰囲気を演出するのも良いでしょう。

紅茶をいれるときに気を付けることとは?蒸らし時間が長すぎるとどうなる?

紅茶をいれる時、茶葉の分量とお湯の分量、蒸らし時間のバランスが紅茶の風味を左右します。

茶葉のパッケージに、これらの目安が記載されていることも多いので、まずは記載通りにいれることをおすすめします。
そして、その茶葉の風味の特徴がわかれば、自分の好みに近づけられるように分量や蒸らし時間を調整すると良いでしょう。

ここでは、茶葉やお湯の分量の目安や、それを間違ってしまった場合の対処法などを紹介しています。

おすすめの茶葉の分量を守る

茶葉の分量は、ティーカップ1杯分で2~3gがおすすめです。
計量器で正確に量る以外に、ティースプーンで手軽に量ることも可能です。

ティーカップ1杯分の茶葉が、ティースプーンでどのくらいの分量かを最初に確認し、それを基準に、細かい茶葉は少なめ、大きい茶葉は多めに微調整するのも一つです。

茶葉が多くなった場合、注ぐお湯の分量を増やしたり、蒸らし時間を短くすれば、濃い紅茶になることを避けられます。

おすすめのお湯の分量を守る

お湯は、ティーカップ1杯分が150~180ml(マグカップだと200ml前後)とされています。
必要分だけお湯を沸かせば、ポットに注ぎ切るだけなので簡単です。

計量カップで量るほか、ティーカップの9分目まで入れた水をやかんに移し、それを人数分繰り返して、必要な分を量る方法もあります。

この方法をとる場合は、蒸らす間に茶葉がお湯を吸うことを考慮し、実際に紅茶を注ぐ量より少し多めに水を入れて量ることがポイントです。

蒸らし時間が長すぎると渋みが強くなる

蒸らし時間が長くなった場合、紅茶の風味にどのような影響を与えるのでしょうか。

紅茶を蒸らす時間は、茶葉の成分を抽出させるための時間です。
蒸らし時間が大切なのは、茶葉の成分が適量にバランスよく抽出した時点で、蒸らすのを止めるためです。
その結果、繊細で華やかな風味の美味しい紅茶ができるのです。

ところがその抽出時間が長くなると、成分が必要以上に溶け出し、特に苦みや渋みを強く感じる紅茶になってしまいます。

長く蒸らしすぎた時にもおいしく飲む方法とは?

長く蒸らしすぎて、紅茶が濃く、苦みや渋みが強く出た場合の対処法の一つとして、お湯を足して薄めることがあげられます。

身近な例として、茶葉を入れたポットで紅茶をサービスするティールームで、ポットが2つ出てくることがありますが、1つにはお湯だけが入っています。

「差し湯」と呼ばれ、もう1つのポットの紅茶が濃くなった場合にお湯を足して、紅茶の味を調整するためのものです。
差し湯は、茶葉が入ったポットではなく、カップに注いだ紅茶に加えます。

ミルクティーにして飲む

もう一つ、ミルクを加えてミルクティーにする方法もあります。
ミルクの風味が紅茶にまろやかさを与え、紅茶の渋みや苦みが緩和されるのです。

ミルクそのものの風味の特徴が強いため、ミルクティーを作る場合は、ミルクに負けない強い風味を持つ紅茶をいれることが求められます。

その時の方法がこのケースと同じで、蒸らし時間を長くしたり、茶葉の分量を多めにしたりするのです。

まとめ

このように紅茶をいれる際、気配りと心がけを少し意識するだけで、茶葉の豊かな風味が引き出され、いつもの紅茶が一層美味しく、奥行きのある味わいになります。

酸素をたっぷり含んだ水を沸騰させ、そのお湯を決まった分量、適量の茶葉に注ぎ、ふたをして約3分待つという一連の流れに慣れれば、後は自在に自分の好みの紅茶をいれられるようになります。

万が一、分量などを間違っても、後で味を調整することもできるので、失敗を恐れずにいろいろな方法を試してみてください。


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