ディルマ・ジャパンのナビゲーターBELLが茶講師の目線でコラムをお届けします。
美味しいスリランカ紅茶の秘密
ディンブラの有名茶園である「サマーセット茶園」。
サマーセット茶園にて茶栽培から製茶まで、一般では足を踏み込むことのできない内部を見学させてもらいました！
スリランカ特有の「竹の棒」を使用した摘採方法
段々の茶畑がどこまでも広がるスリランカ・ディンブラの茶畑。
日本でも山間部で段々になっている茶畑を目にします。…が、スリランカの茶畑は凄かった！
まず、傾斜が半端ない。結構な急斜面です。そして、段々…かと思いきや…急斜面の下り坂！
気を抜くと、ズルズルと滑り落ちるほどの急斜面です。
さて、そんな日本とスリランカの茶摘みの違いといえば…
● 竹の棒を使った茶摘み
● 額から吊り下げる茶葉を入れる茶籠
竹の棒の使用方法ですが、茶葉の上にふわっと置き、棒よりも上部に出ている葉っぱを摘み取っていく際に使用する、摘採部位を示す棒になります。
竹の棒より上部は基本的に一芯二葉になるので、それを摘んでいると
「違うわよ！ここの葉っぱも！」と、指導を受けるも
「え？？一芯二葉じゃないの！？」と、プチパニックに。
詳しく聞いてみると、今摘んでいる茶葉はP（ペコ）もしくはOP(オレンジペコ）とのこと。
なるほどね！と、茶摘みを再開するも、スリランカの大葉種の茶葉でOやOPは手のひらサイズほど大きいのです。
日本でこのサイズの茶葉を手摘みすることがないので
「…本当にこんなに大きな葉っぱを摘み取ってよいのか？」と若干不安になりましたが、茶摘みのお母さんたちの言葉を信じて摘み取りました。
「竹の棒、全然いらないじゃん」と心の中で突っ込んだのは内緒です（笑）
今回私が摘採した際は一芯五葉で摘み取りをしましたが、当然のことながら、茶葉の発育具合や場所、商品にする茶葉によって摘み取る箇所は違ってきます。
お茶を摘んだ後は、額から吊り下げている籠に茶葉を放り込んでいきます。
サマーセット茶園では籠よりも軽量であるナイロン製の袋を使用していました。
空の茶袋を装着してもらった途端、首がもっていかれそうに…
むむむ。お母さんたち、一日に15キロもの茶葉を摘んでいらっしゃるんですよね？
斜面での摘採、この重さを額から吊り下げているお母さんたちに心から尊敬の念が沸き上がりました。
驚いたり、笑ったり、とても楽しかったお茶摘み体験。
私が写真や動画を撮ろうとするたびに、素敵なポーズで微笑んでくださるお母さんたちの人柄に癒され、広大な茶園に感動し、スリランカ特有の茶摘方法に触れることができました。
だからスリランカのお茶は美味しいんだ！
スリランカのお茶が美味しい理由。
美味しい理由の一つは「丁寧な手摘み」だと実感しました。 丁寧に摘採された葉っぱは痛みもなく、しかも迅速に茶園内にある製茶工場にて萎凋・乾燥の工程に入ります。
日本のように機械で摘採することは地形的に難しいのかもしれませんが、手摘みによって美味しい紅茶となり、さらには雇用に繋がり、地域社会への貢献となっているのではないでしょうか。
お母さんたちが丁寧に摘み取ってくださった茶葉。 帰国してからディルマの紅茶を飲むと、お母さんたちの笑顔がいつも浮かんできます。
秘密の製茶工場へ潜入
一般では入ることのできない「サマーセット茶園」の製茶工場。
茶園が広大な分、製茶工場も大規模です。
企業秘密ということで、詳細な説明は控えますが、日本と比べて規模も大きいこと！
萎凋棚や乾燥棚は２５ｍプールの大きさほどありました。
工場の中は紅茶の香りで満たされており、衛生管理も素晴らしく、全ての工程を見学させていただけました。
ディルマの工場に運ばれる以外にも、オークションに出す茶葉も沢山あり、倉庫内の茶葉の量には圧倒です。
温かい国だからこそ見れる、茶葉の発育進度の違いなども見せていただけました。
ディルマのプログラムだからこそ見せてもらえた内部。
スリランカ紅茶の美味しさの理由を知ることができました。
今回、サマーセット茶園という大規模プランテーションを見学体験させていただけ、私自身も勉強となり、お茶をつくる現地の方々の想いも感じました。 そして、園で働くお母さんたちの太陽のような笑顔は宝物ののような思い出となりました。
次のコラムでは紅茶とのペアリング（ティーペアリング）についてお伝えしていきます！
【profile】
ディルマ ナビゲーター ／ BELL
心を豊かにするお茶時間、
ティーサロンT42主宰
Instagram：@tea.lover.bell
